ゴルフクラブはもう仕舞ってしまったし、旅行に行く気にもならない。
家でブラブラしていても仕方がないので、妻と二人で美術館に行くことにした。「マジック博物館」の展示方法の参考にしようと考えたのだ。
会社の掲示板に美術館のポスターを貼ってあげているので、そのお礼と云うことで招待券をもらったのだ。
現在の展示物は、高校生の時に隣のA組の担任で美術担当だった中谷有逸先生の作品である。
私は絵画も好きで、中谷先生の作品は4点所持しているが、いずれも具象の風景画である。
今回の展示物は版画であり、しかも抽象画である。
私は、コンテンポラリーアートの抽象画は苦手なのである。どうも作者の意図が良く理解出来ないのだ。
それでも私はジックリ見てなんとか作者の意図を感じようと努力しながら色々な角度から作品を眺めていたのだが、妻はサッサと歩いて行く。
妻もこう云う作品は苦手のようだ。しかし、それでも早過ぎるぞ!
入口のところに中谷先生が座っておられた。あまりにも早いスピードで出てきてしまったから、顔を合わせるのは気まずい感じだったので、気が付かない振りして避けたかったのであるが、先生の方が私を見つけてしまったので挨拶せざるをえなくなってしまった。
本来なら見た後の感想などを言わなければならないのだろうが「良い天気ですね〜」と気が利かないセリフしか出てこない。困ったものだ。
挨拶もそこそこに出てきたのであった。