「明日の土曜日は、予報によると天気が良くて、最高気温も12℃と温かいらしいからゴルフをやるぞ!」と言う。
「私は10月18日で今年最後のゴルフにしました。クラブも既に物置に仕舞ってしまいましたからダメです」と断った。のだが・・・。
再度、「お前しか居ない。どうせ暇なんだろう?やるぞ!」と強引に言う。どうやら他に一緒に遊んでくれる後輩が居ないらしい。仕方がないので付き合ってあげることにしたのであった。
クラブを洗って物置に仕舞った時点で、今年のゴルフは気持ちから離れてしまっている。1ヶ月以上もクラブを振っていないから、とりあえず柔軟体操をして筋肉を柔らかくすることにした。
土曜日は天気予報が当たって、帯広は温かく風もない、最高気温は12℃以上はあったろう。11月にしては最高のゴルフ日和である。
いつものM先輩とT先輩の4人のメンバーで夕食を賭けてゴルフをすることになった。
食事代金を成績のビリの人が4割、以下3割、2割、1割と払うことにしたのだ。夕食の場所は「すき焼きの松伊」と決めた。最初に決めておかないとA先輩が負けたら安い店にしようと言い出すからだ。
ゴルフ場は混んでいた。天気が良いとやり惜しみするゴルファーが必ず湧いて出てくるものである。我々の前に大きなコンペがあり、そのコンペの後ろに数組が入る。私達は更にその最後であった。きっとA先輩が強引に入れさせたのであろうなぁ。
十勝CCのアウトの1番、私はリキミが全くないスイングが続き、いきなり1mのバーディチャンスに付いた。ところが・・・。
A先輩の口撃にやられてそのバーディを外し、返しのパーパットまで外してボギースタートである。
そこから、悪夢が始まったのであった。ショットはビタビタとピンに絡んでくるものの、パットが狂ってしまってまるで入らなくなってしまったのである。
そうこうしている内に元クラブチャンピオンの経験もあるM先輩が、チップインバーディを繰り返して3バーディを取ったのであった。グリーンの外から寄せるショットが直接穴に入ってしまうのだから嫌になる。
こうなると、近くのバーディチャンスにある私は、ますます萎縮してバーディパットを外してしまうのであった。
しかし、ショットが良かったから私が2位。1位はM先輩、A先輩は最下位であった。
案の定、場所を最初に決めていたのに、A先輩は場所を変えようと言い出す。本当にワガママな人である。他の2人も最初に決めた松伊にすると言ったので最後は予定通りの場所になったのであった。
私の負担額は2割だから、十勝牛で良いというA先輩の声を無視して、松坂牛の高級肉を頼み、腹一杯になって帰ったのであった。