私の家と義父の家は40mほどしか離れていない同じ町内にあるので、おすそ分けに2匹をもらった。
小振りではあるが身も詰まっているし、何より蟹ミソが上手い。
この日の夕食のおかずは、湯豆腐、焼餃子であるが、なぜだか準備の良いことにザーサイや松前漬まで買ってある。これらの料理が目の前に並んだら・・・。
私は普段は晩酌はやらない。寝酒専門である。夕食を食べ終わった後に温泉銭湯に運転していくからだが、今晩は道路の除雪状況もまだ悪いので、今晩は温泉銭湯に行かずに自宅の風呂に入ることにした。
寝酒もここ2年間は痛風の発作が恐いので黒糖焼酎にしている。ビールや日本酒はほとんど飲まないのだ。
だが、これらの料理を前にしたら急に日本酒の燗酒で一杯やりたくなってしまったのである。
特に蟹ミソを舐めながら日本酒を飲んだら、もう最高である。料理を食べながら飲むには何と云っても日本酒が一番だ。
蟹はあらかじめ身をほぐして食べ易くしてあるから、酒のつまみにはなるが、これだけではご飯のおかずにはならない。
酒を飲み終わった後に、糠漬けの漬け物だけでご飯を食べるのも何だか寂しいなぁと思って、フッと「そうだ!長万部の駅弁、カニ飯弁当もどきを作ろう!」と思い立ったのであった。
夕食前のわずかな時間で、「邪魔だ!」と云う妻の横で「干しシイタケ」を熱湯で戻して甘辛く味付けし、冷蔵庫の中にあった「ガリ(生姜の甘酢漬け)」を微塵切りにした。日本酒とガリの汁と椎茸の戻し汁と醤油などでタレを作り、ほぐしたカニの身と生姜と椎茸を混ぜると出来あがりである。
チャッチャッと手早く作るのが男の料理ってもんである。とても美味しそうに出来たので、先にご飯を食べている妻と母にも分けてあげたのだが、とても美味しいと評判が良かったのであった。
私は久し振りにゆっくりと晩酌をしながら、お酒とおかずを楽しんでから、最後の締めに、このカニ飯を食べて夕食を終えたのであった。
やっぱり晩酌は良いなぁ〜。これからは時々晩酌をすることにしよう。