ダビングしていて、写っている自分の姿を見たら自己嫌悪に陥ってしまった。
普段、自分の姿を鏡で見ているぶんには、周りの人間が言うほどには、それほど自分が醜く太っているとは思っていなかったのだ。
それが・・・。テレビ画面に映った自分の姿は、何とも恰好が悪い。腹だけが飛び出ていてとても不格好なのである。
いやいや、これは本当の自分の姿ではない。テレビに映る姿は、テレビ画面の構造の関係から実際よりも太って見えると、よく言うではないか!
ウン、そうに違いない!そう思い込むことにしたら・・・、
妻が「実物と映像に違いなんかないわよ、あなたは間違いなくデブで恰好悪い」と云う。
すると、次に私がお辞儀をする場面が映ったら、後頭部がかなり薄くなっている頭が映った。「エッ、俺の頭ってこんなに髪の毛が薄いの?」と思わず声が出てしまった。自分の頭頂部は鏡を2枚使わなければ見えないから、これまで自分の頭頂部を見た事なんてないのだ。
ショックであった。
太っていることや、頭頂部が薄くなっていることは薄々知ってはいたが、気にしないことにしていたのに・・・。
やっぱり、マジックを演じるのはスマートな体型の方が良いだろうなぁ〜。これからはダイエットを真剣に考えないと・・・。
自分のマジックの演技を見ていて、これまた自分の想像している演技と違っっていたので愕然とした。自分で抱いているイメージとビデオに写っている演技の映像とに差があり過ぎるのである。
自分でイメージしているようには身体がまったく動いていないようだ。
「カップ&ボール」の演技は、マジック教室の生徒にも教えていたルーティーンであるが、細部の手の動き、眼の動きがまるでなっていない。俺ってこんなに下手クソだったのかと思ってガッカリしてしまった。
40年ほど前に、師のジミー忍宅にあった、当時としては珍しかったビデオで何度も何度も繰り返し見ながら、ようやく習得し、その後も盛んに演じていたトニー・スライディーニの「ペーパー・ボール・イン・ザ・ボックス」もここ数十年間は演じたことがない。
細部の手の動きをすっかり忘れていたが、ユーチューブで確認してここ数日の練習で復活したと思っていたのだが・・・、ビデオを見ると、まるで酷い出来である。手の動きが逆であったり、不必要な動きをしてしまってミスディレクションを台無しにしていたりの失態ばかりが目に付く。
やはり、観客に見せることを怠っていた分だけ、マジックの勘所が鈍っているようだ。これでは本当に昔の名前で出ています状態である。
もう一度、勉強&練習をし直さなくてはならない。
今回の自己嫌悪をバネにして、再度、マジックを頑張ろうと決心したのであった。