しまうが、日本では「プレイングカード」と言っても通じないので、このブログでは「トランプ」と表現することにする。
去年の11月16〜19日まで、帯広に「マジック博物館」の進捗状況を見にきたマジックの師匠、故ジミー忍(聖忍)師の夫人のマコママが、出来あがったばかりの「トランプの壁」に展示していた930個のトランプを見て「先生のコレクションの中の一番素晴らしいトランプを飾っていないやん」と言う。
通常、トランプは紙の箱状のものに入っているが、マコママの言うトランプが見当たらないのだ。
マコママは「たしか箱に入っていたんじゃぁなかったよ」と言う。
「かなり古いトランプで箱の部分は包装紙状になっていたから、先生がその包装紙だけを額装しておいたはずだ」と言うのだ。
額類を分類して分けておいた箱の中を探してみたら、小さな額にトランプを包んでいた包装紙だけを額装したものが見つかった。
中身は何処にあるのか?とマコママに聞いたら「たしか木製のカードケースに布に包んで入れてある」と言うので、今度はカードケースを分類していた箱を調べたら出て来たのであった。
確かに、古そうなトランプであるが、未使用品だからカードそのものは綺麗である。MADE IN BELGIUM とあってカードのブランド名は「GREAT MOGUL」とある。
この「GREAT MOGUL」と云うブランドは、ちょっと前までアメリカのカード会社が造っていたブランドで現在は製造されていないはずだ。
マコママは「貴重な古いモノだから、額装して飾って欲しい」と云うので帯広の額装屋に頼んで額装してもらうことにしたのだった。
額装屋もトランプの額装なんてやったことがないから随分てこずったのだろう、ようやく1週間前の4月7日に完成して持って来た。
私も今月下旬に出版する本の校正で忙しかったので、そのままにしてあったのだが、昨日、校正が終了したので、改めて出来あがって来た額を見ると、実に趣があって良いトランプなのである。
こうなると調査したくなるのが、私の悪い(良い?)癖である。
何としても製造年代くらいは調べたいと思ったのだ。
早速、マコママに電話して、何処でこのトランプを見つけたのかの由来を聞いてみたら、先生とママがやっていたマジックバー「魔法の小箱」(初代の下北沢店)の常連客の骨董屋さんが、35年ほど前にプレゼントしてくれたもので、海外の骨董店が集まる骨董市で見つけたものだという。
それ以外は分からないという。
写真を写して、トランプを輸入している会社にメールをしたら、取り扱い製品ではないので分からない。同じ名称のアメリカ製のトランプならあるという返事が来た。
そのアメリカ製の「グレートモーグル」を検索すると、U.S.プレイングカード社製で、海外への普及品(セカンド)、いわゆる2級品で印刷がズレたりしたものを安く販売するブランドということで、赤と青の2種類がある。アメリカ製の箱の絵を見ると人物は同じデザインであるし、全体は似てなくもないが・・・。
ネットで、「ベルギー・トランプ グレートモーグル」と入れたら、ベルギーはトランプの生産では世界的に有名な国で、「トランプ博物館」もあるという情報を得たが、グレートモーグル(モーガル)はアメリカ製のトランプという情報でベルギー産だという情報は出てこない。これ以上はお手上げの状況である。
誰か、知っている人が居たら是非とも教えて欲しい。
マジック博物館は、松旭斎天一の書いた掛け軸や書などの貴重品を展示するガラスケースも来週には完成するだろう。
連休中は少し頑張って展示でもするか。