「探し物は何ですか〜、見つけにくいものですか〜、鞄の中も、机の中を探したけれど見つからないのに、・・・」と云うのがあったが・・・。
自宅に保管してあるはずのモノが見つからない。
休みの日を利用して、朝からあちらこちらと自宅の中を探しまわっているのだが、まったく見つからない。
妻に聞いても「知らない」と云う。この「知らない」がクセモノなのだ。
会社も自宅も、私の机の上には本やら書類やらが平積みになっている。動かしさえしなければ、どこら辺に何が存在するのかは自分ではしっかりと把握してあるのに、それを妻が勝手に片付けてしまう。
NHKの『歴史への招待』や『クイズ面白ゼミナール』などの司会者として知られる鈴木健二アナウンサーの机の上も雑然としていることで有名であった。出来る男の机の上は書類や本が積み重なっているものなのだ。
妻は机の上のモノを段ボールやら紙袋やらに入れて、どこかに置いてしまうのだ。それをどこに置いたのかを尋ねても「知らない」と云うから困るのである。
せめて、移動した場所を覚えていてくれたら、そこを探せば見つかるのに、私の持ちモノなど端から無関心だから、どこに片付けたのかすら覚えていないのだ。
片付けたことさえ忘れていることが多い。
「どこにやったんだ!」と強い口調で聞くと、逆切れして「片付けないアンタが悪いんでしょ」と怒りだす。
書類など薄い紙切れは、一旦何かに挟んでしまったら、見つけ出すことは困難なのである。
こうして失ったモノは多い。
探しモノと云うのは不思議なもので、探していないものが、次々と出て来る。「ア〜ッ、この間探していて見つからなかったモノが出て来た。こんな所に仕舞ってあったのか!今更出て来てもしょうがないのに・・・」と云うことになる。
探しているモノが出て来ないと、とても気になる。何度も何度も同じ場所ばかりを探す。
サッサと諦めた方が、時間を有効に使えるのになかなか諦めきれない。
妻はそんな私を見て「バッカじゃないの・・・」と鼻で笑う。原因を作ったのはお前だろう!