思惑が見事に外れて逆の方向に行っているようで、株価は下がり、円高に振れている。
事ほど左様に、お上の金融政策通りには、経済は動かない。
100年前の理論が、これだけ複雑化した現代社会にそう簡単に通用する時代ではなくなったということだろう。
世界の10%の人数が富の70%を占めるという時代である。日本の日銀の思惑なんて、逆手に利用して儲けるだけであろう。
これだけ富の偏在が激し過ぎると、世の中は上手く回らない。富む者の滴が垂れて経済が潤うなんて云うトリクルダウンは真っ赤な大嘘である。
日本の昭和40年代の頃の「一億総中流」社会で、皆が「今日よりも明日の方が良くなる」と云う明るい未来を信じられる時代が一番経済が回るのだ。
今日の様に「今日よりも明日はもっと悪くなるかもしれない」と云う不安感に溢れた雰囲気の中で、お金を使おうなんていうのは、能天気かチャレンジャーしかいないだろう。
日本の政府は、これだけ円安にして輸出関連企業を潤わせてあげても、一向に社員の給料は上げようとはしない。ごく普通の経営者ならば「不安」なのだから内部留保に回すのが当然であろう。
それを理解していない安倍や麻生は企業の姿勢を怒ってみせるが・・・。いくら金融政策をやっても徒労に終わるだけである。世界の10%のお金持ちに益々お金を集めさせてやっているだけだということに気が付いていないようだ。
経済用語に「合成の誤謬(ごうせいのごびゅう)」と云うのがある。度々このブログでも取り上げているが、ミクロの単位で正しいと思われる行為が集合してマクロの単位になると誤った結果になるとでも言うような意味である。
個々の普通の経営者が内部留保を積み上げる行為はごくまともな感覚で、さらに日本国内に投資をしない状態が集合すれば、日本の景気はいつまで経っても良くはならない。
政府がやらなければならないことは、金融政策ではなく。日本人の不安を払しょくすることである。
年金しかり、老後の生活しかりである。
もういい加減に気が付けよな!
本質が誤っているアベノミクスは無駄に終わるだけだろうなぁ〜。