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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2016-02-17-Wednesday 働かない蟻

働き者の代名詞である蟻の中にも

2割の働かない蟻が居るという研究成果が発表された。

北海道大学の長谷川英祐准教授らのチームが16日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表したと云うニュース。

確か以前にも聞いたことがあったが・・・。

蟻の集団には常に2〜3割の働かない蟻が存在することは分かっていた。この集団からその働かない蟻を取り除き。10割の働く蟻だけの集団を作っても、やがてその中の2割ほどが働かなくなると云う。その理由は謎であったそうな。

今回は、その理由を解明したと云う。どうやら、いざという時の為に温存させているらしい。10割が常に働く集団よりも、2割の働かない集団が居る方が長持ちするのだと云う。

こう云う研究成果が発表されると、すぐに人間社会に当て嵌めようとするのがマスコミであるが・・・。

社会性のある動物という括りで蟻や蜂を捉えているが、そもそも、昆虫の蟻と哺乳類の人間を同列に並べて比較してどうするというのだろう。

テレビのワイドショーでは早速、会社の中に働かない人間が居るか?そう云う人間はいざと云う時に活躍したか?なんて類のインタビューを行なっていた。面白いことは面白いが、あまり意味は無いように感じる。

人間には「智恵」がある。旧約聖書の時代からすでに7日間を1週間と定め6日は働き、1日は休息日とすると定めている。

完全週休2日制で祭日も休み、有給休暇もあるというような会社に勤めている人間が「蟻の世界でも2割が働かないのはいざと云う時の為だから、俺もいざと云う時に備えて働かないのだ。」などと言ってサボるような人がいたら、経営者にしてみればそれは給料泥棒と同じである。

蟻には「休息日」という概念がないのだから、働き通しで倒れた時の交代要員を置くというのは、ごくごく自然な摂理なのであろう。

むしろ問題は、休む暇無く働かせる「ブラック企業」の勤務状態は蟻よりも酷いと云うことの方であろう。

自然界の摂理よりも酷い労働条件で、従業員を休み無く働かせるブラック企業というのは、一時は正規労働賃金の搾取によって会社の収益が良かったとしても、決して長続きはしないということを表わしている。

今回の研究成果はそういう方向に使われるべきであろう。