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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2016-03-14-Monday 福島第一原発事故

13日21時から放送のNHKスペシャル

「原発メルトダウン」を見た。

取材に基づいて再現ドラマ化したもので、これまで言われて来た事故後の対応などについて、とても分かり易かったが・・・。

NHKはCMが無いから好きなのだが、この日はトイレを我慢するのが辛かった。それほど目の離せない番組であった。

見ていて恐ろしくなったのは、この原発事故によって「関東を含む東日本に人が住めなくなる恐れがあった」ことと「その可能性の回避が紙一重の偶然で救われた」ことであった。

そもそもの事故原因は、2011年3月11日に起こった東日本大震災で発生した大津波が福島第一原発を襲い、地下に置いてあった非常用電源が水没してその機能を喪失し、原発を冷やせなくなってメルトダウンを引き起こしたことにあった。

原発事故の原因は、ひとえに東京電力の怠慢と無責任にある。

東京電力は福島第1原発を襲った津波の大きさを「想定外だった」と説明してきたが、これは大嘘だった。

1142年前の869年に起きた貞観地震の際に発生した17mもの大津波が、福島第一原発の建っている場所を襲ったという見解もあったと云うので、東京電力でも、それらの見解などを基に、2008年には福島第1原発に最大10.2メートルの津波が来て、押し寄せる水の高さ(遡上高)が15.7メートルにもなる可能性があることを既に社内で試算していたことを後に明らかにしたが、東日本大震災後の五ヶ月半もこの事実を公表してこなかったのである。

実際の大震災による福島第1原発の遡上高は14〜15メートルだったと言われているから、この試算を踏まえて、電源やポンプなどの重要施設の防水対策をきちんととっていれば、全電源喪失から原子炉を冷却できなくなる事態を防げた可能性がある。少なくても、原子炉がメルトダウンするという最悪の事態を回避できた可能性があった。

今回のテレビを見ても、津波が襲うかもしれないと云うのに地下に非常用電源設備を置いてあると云うのが理解に苦しむ。

素人考えだが、この非常電源だけでも、上階にあればまた事態は違っていたかもしれないなぁと考える。

1000年以上も前に発生したような規模の地震が起きるとは想定していなかったということであろう。

菅総理を始めとする官邸の対応もヒドイし、東電の本社の対応もヒドイ。

再現ドラマの中で違和感を覚えたのは、吉田所長が、所員の安全を守る為に作業を中断させて一旦避難させたことだった。

東日本が壊滅するかもしれないという重大事態が発生すれば、100人や200人の命では済まないだろうに・・・。

原発がメルトダウンして大爆発でも起こしたら、原発の敷地内に居る人間だって全員死ぬだろうに・・・。

それこそ、目の前のことに心を奪われて全体を俯瞰出来ていない。

ノーブリス・オブリュージュが足りないと感じた。

菅直人首相、東電本社のお偉方、吉田所長など大局観に立てるリーダーの欠如が引き起こしたヒューマンエラーの惨事である。

酷なようだが、それなりの立場にいる人間は、日本を守る為に命掛けでやってもらわないと・・・。

それこそ、一番危険で、日本が壊滅する寸前だった2号機の大爆発が避けられたのは偶然の産物だったと云うのも驚きであった。まさに神風が吹いたようなものである。

これを見て、心底背筋が凍りついた。

あぁ、それなのに、日本の政府はまだ原発を稼働させると云う。

まさか北朝鮮の「若者」が暴走して、日本の原発目掛けてミサイルを撃ち込んだりはしないだろうなぁ〜。