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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2016-07-04-Monday 勝毎「論壇」

2016年7月4日十勝毎日新聞「論壇」掲載

「いよいよオープン マジック・ミュージアム」

北の屋台を卒業した2007年4月から仕事の合間にコツコツと作業を続けて9年、ついにこの16日(土)に一般公開できる段階にまでこぎ着けた。

マジックのコレクターは、日本には少なくても十数人がいると思われるから「マジック博物館」は他にもありそうな感じであるが、実は日本で唯一の施設なのである。

コレクター心理は、展示場を造るお金があったら、その分、収集品の充実に掛けたいと思うようだ。だが、一般公開をしなければ、自己満足で終わってしまう。自分だけでニタニタ眺めているだけではマジック文化は伝播(でんぱ)しない。

ネットで検索すると、世界にはマジック博物館が数カ所あるようだが、写真を見た限りでは、わが「マジック・ミュージアム」の展示品の種類は世界一ではないかと思っている。

それは、マジックの嗜好(しこう)の方向性が異なる3人のマジシャンのコレクションが一堂に集まったからだろう。3人とは、マジックの師匠でプロマジシャンのジミー忍(故人)、音更町のアマチュアマジシャンの植田広志(故人)、そして私だ。

ジミー忍コレクションは、ステージ衣装、自ら制作したオリジナル道具、昔の8ミリフィルムなどコレクターといえどもなかなか手に入れることができない唯一無二のものが多い。また、生前からマジック博物館造りを宣言して、トランプ、ポスター、絵、小物などを多数収集していた。

植田広志コレクションは、建具屋という職業柄か自ら制作したと思われる木製の道具や、市販の道具が部屋いっぱいに整理されていた。アマチュアは、プロとは違って演技のジャンルが固定されていないから、コイン、カードなどの小道具類から、ステージマジックの大道具までバラエティー豊かなコレクションである。

坂本コレクションは、書籍が中心だ。マジックだけに限らず「不思議」というテーマで47年間にわたって収集しており、その数は1万5千冊を超える。道具類は私の美意識で「美しい」と感じるモノや「面白い」と思うモノばかりを集めてきたから希少なものが多い。

この三者三様のコレクションを、約170平方メートルの部屋に並べ、実演用のステージも設置した。マジックに興味のない人でも十分に楽しめる施設であると自負している。

諸般の事情から、今回は「セミ・オープン」という形にした。9月末日までは無休で開館するが、その後は来年4月末まで休館し、再整備をしてからグランドオープンとする。永遠に未完成な博物館かも・・・。