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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2016-10-18-Tuesday 勝毎「論壇」

2016年10月17日十勝毎日新聞「論壇」掲載

「日本唯一」という効果

マジック・ミュージアムのセミ・オープン期間(7月16日〜9月30日、77日間)が終了した。本格的なオープンを前に試験的運営をして、その経験を生かそうということである。

来場者数は8月末までは順調に推移したのだが、台風襲来の影響で、9月1日からはパタッと止まってしまった。しかし、「日本唯一」という冠効果は絶大であったと感じている。

関西、中京、関東方面からも「マジック・ミュージアムを見るためにわざわざ来た」という客が多かったし、期間終了後もトランプなどの寄贈品が毎日のように全国各地から届いている。

所有欲が薄れてきていると言われる昨今、家庭などに死蔵している思い出深いトランプを捨てるのは忍びないから「展示してほしい」と寄贈してくれるのだ。

トランプは各家庭に一つはあるだろう。お土産や景品などでもらったが使わないトランプが引き出しの中で眠っているかもしれない。このままの勢いで送られ続けたら、そのうち「マジック・ミュージアム」というより「トランプ博物館」になってしまいそうなほどである。「トランプの壁」という斬新な展示方法が奏功したのだと思う。今後はテーマを決めて入れ替えなどをしていこうと思う。

「日本唯一」のというのは文字通り日本にはここ1ヶ所しかないということで、「ばんえい競馬」もそうであるから、帯広の観光はこれを特徴として生かせば面白い展開が可能かもしれない。

観客には盲人の方もいた。わざわざ関東から、ニュースで知ってどうしても行きたくなったというのである。どうやって内容を伝えようかと困惑したが、口頭での説明を丁寧に行うことで満足し、喜んでくれた。触れる展示物があったらもっとよい、とのアドバイスも頂いたので参考にしたい。

「セミ・オープン期間中には来場できなかったが、冬に北海道に行く際にはぜひ見たい・・・」などというメールや電話を多数頂いているので、来春の本オープンまでは予約制にして対応するように考えている。

博物館の運営には、二つの「り」が必要だ。「理念」と「利益」の「り」である。「理念」だけでは運営はできない。運営には当然ながら経費が掛かるからだ。どうやってそれを捻出するかも大切である。「博物館」と名の付くものは多い、日本だけでも5000カ所以上あるという。来年に向け、入場料以外の収入の道を考える必要があるだろう。この77日間のセミ・オープンはとても有意義な期間であった。