学校法人「加計学園」が愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画を巡っての会見である。
内閣府が、文科省に対して早期の開学を「総理のご意向」として求めたとされる文書について、「確実に存在していた。自分も見た。」と語った。
会見の映像を見る限りでは、前川氏は低音の魅力たっぷりの落ち着いた物言いで、説得力のあるしゃべり方であったと感じた。
この声優にしたいくらいの低音で魅力的な声は、たぶん視聴者の印象が良いであろうなぁ〜。多くの女性は、この声に惚れてしまうんじゃぁないだろうか?
これは視覚的・聴覚的に大変効果のあった会見であったろうと思う。
前川氏が上手いところは、安倍総理を直接批難していないところだ。
彼の会見の内容は、内閣府の審議官が、官邸の意向を汲んで、上から目線で文科省を脅したと云っているように感じた。
つまりは、官僚同士の上下関係が生じて、正しい行政が行われていないと云っているのではないだろうか。
それに対して・・・。
読売新聞が25日の朝刊で、前川氏が「出会い系バー」に頻繁に出入りしていたと、まったくこの件とは無関係の個人の人格への攻撃とも受け取れる記事を掲載した。
これはいただけない。
天下の全国紙が、まるで週刊誌のような記事を載せるのは如何なものだろうか?読売の品位が著しく低下したように感じた。
私は長らく読売新聞を愛読していたのだが、今日、配達会社に今月末で配達を止めるように電話したのであった。
菅官房長官の会見では、前川氏が次官の地位に恋々としていたと人物評価を低下させるような発言をしていたが、これもいただけない。
国会で安倍首相が籠池氏の問題の時によく使っていた「印象操作」そのものであろう。
前川氏は「出会い系バーに通う、地位に恋々とした卑しい男だ」そんな男の発言を信じるのかと云わんばかりの会見内容である。
何だか官邸側が焦っているような感じがした。
この両者を見て比較した視聴者は、果たしてどちらが信用できる人間かと問われれば、前川氏に軍配が上がるのではないだろうか。
「女性の貧困の実地調査だ」と云う言い訳には笑っちゃったけどね。この世の中に「聖人君子」なんているはずがないではないか。男なんてもんは多かれ少なかれ皆スケベなんである。
前川氏には公務員としての守秘義務違反との指摘もあるが、国会の証人喚問にも応じると云っているのだから、そのことも含めて腹を括っているように感じた。
今回の件は、官僚主導の行政か、政治家主導の行政かの綱引きのようである。
国民にとっては、まったくの官僚主導も宜しくないが、まったくの政治家主導も宜しくない。ようはバランスが悪いのである。
両者が、キチンと法律や倫理に則って、しっかりと議論して物事を進めてもらいたいと思う。それが官僚や政治家の役目なのだから。