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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2017-11-11-Saturday オートマタ自動人形

入院中にネットで見つけて購入したオートマタ(自動人形)の

「美人手品師」この製作者であるフランスのオートマタ自動人形の作家「ミッシェル・ベルトラン」についていろいろと調べてみたが、ネットにもあまり情報が載っていないのだ。あちこちから情報を集めて、展示作品のキャプション用に作成した文章を基にして紹介してみよう。

ミッシェル・ベルトラン(Michel Bertrand)(1922〜1999年)はフランスで造園師の息子として生まれる。幼い頃からオートマタ(自動人形)に興味を持ち、フランスのJ.A.F(Joueur et Automata Francais)

(フランス オートマタ 玩具社)に入社して自動人形造りの経験を積む。

このJ.A.F社と云う会社は、19世紀のオートマタ作者ギュスターブ・ヴィシーGustave Vichy(1839〜1904)が作ったヴィシー工房の後裔会社である。

ベルトランはJ.A.F社が閉じられた時に、その材料の全てを引き継いで、スイスのサンクロワの隣村に工房を構えて、伝統的なゼンマイ式のオートマタの新作を製作したが、J.A.F社に残っていた材料を使って作られたベルトランのオートマタは、必然的にヴィシーの復元品が多かった。1980年代には、その作品のほとんどが日本にも紹介されて大人気を博した。

その新作製作の傍ら、ほぼ壊れかけている様な古いオートマタの修復も精力的に行ったが、18〜19世紀当時の最先端技術や部品には、規格がほとんどないから歯車ひとつをとっても独自のサイズとなっているので材料の確保が難しいなかで、忠実な再現を目指して修復を行った。

ベルトランの作品はゼンマイを巻くワインディング・キイに付いている「MB」マークで選別される。

と、まぁこんな感じである。

ベルトランは20世紀後半の作者であるが、現在、世界中に現存している可動状態のオートマタ自動人形のほとんどはベルトランが修復したものであろう。だから、ベルトランは最後のオートマタ職人といったところであろうか。

私が購入した「美人手品師」は、古い作品ではないが、同様な19世紀の自動人形がフランスのオートマタ写真集にも載っているから、それをモデルにして製作したものであろうと推察される。

古くはないが、ベルトランの没年から考えても最低でも30年以上は経っている作品だ。

YouTubeで『オートマタの巨匠 ミッシェル・ベルトラン作 【美人手品師】 』と検索したら、実際に動いている映像が見られるので是非見てもらいたい。

完璧に動くから、いずれ貴重なモノになっていくものと期待している。大切に展示したいと思っている。