«前の日記(■2017-11-26-Sunday) 最新 次の日記(■2017-11-28-Tuesday)»
 | トップ |  | ビル概要 |  | テナント構成 |  | 沿革 |  | アクセス |

観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2017-11-27-Monday 勝毎「論壇」

2017年11月27日十勝毎日新聞「論壇」掲載

「2人に1人が癌の時代」

毎年受診している人間ドックで今年春に癌(がん)が発見された。いまや日本人の2人に1人が癌に罹(かか)る時代であるから、確率的には何ら不思議なことではない。医者から癌宣告を受けたときにも冷静であった(と自分では思っている)。

すぐに本を5冊買い込んで読破した。ネットでも詳しく調べたし、同じ癌に罹って完治した友人にも治療法を教えてもらった。調べれば調べるほど、治療法には信頼できそうなものから怪しいものまでいろいろな種類があることを知った。歌舞伎役者の妻が若くして乳癌で亡くなったが、民間療法で治そうとして手遅れになったとも言われる。

医者によっては、癌は「早期発見、早期治療」から「治療してはいけない」という医者まで幅広くいるのが実情だ。

医術には、まったくの素人であるから、いったいどの説を信じればよいのか、さっぱり分からなくなってしまったが、最後は、たとえどうなっても自分が納得できる方法で対処しようと決めたのである。

しかし、民間療法はさて置いても、医療機関が推薦する治療法だけでも、手術療法、放射線療法、内分泌療法、化学療法、待機療法、粒子線療法など多くの選択肢があり、このそれぞれがまた細かく分かれている。

治療だから副作用や後遺症というのがあるのも当然だろう。患者によって病状が異なるから、自分の病状をしっかりと把握して、年齢と今後の人生とを考慮して、どれが自分にとって適当であるかの検討を始めたのだが、それぞれにメリットとデメリットがある。メリットだけの治療法も、デメリットばかりの治療法も当然ながらない。

治療期間が短かいと、副作用や後遺症に悩まされる期間が長かったり、またこの逆に、副作用や後遺症が軽かったら、治療期間が長かったり、治療費が高額であったりする。

医者が勧める治療法を鵜呑(うの)みにして、後からこんなはずではなかったという後悔だけはしたくなかったから、最初の医者の勧める治療法が納得できなかったので、セカンドオピニオンを求めて「陽子線治療法」を選択した。

健康保険が適用されない先進治療で費用が高額であるが、幸いにも生命保険の特約に加入していたので自己負担はなかったのであるが約2ヶ月間もの治療期間を要した。道内には札幌にしか施設がないので、この間、帯広を不在にしたものだから重篤説が噂(うわさ)される始末であった。

「人間万事塞翁(さいおう)が馬」である。私はまだ還暦、もう少し元気で活動したいと思っている。