妻が、何故だか私にキツク当るように感じる。
いつもなら「アナタはどうするの?」と聞いてから予約をするのに、私が傍に居るにも関わらず、まったく無視して温泉銭湯のマッサージに電話して、さっさと自分だけの予約を入れている。
私が2ヶ月間入院していた間に、「お一人様」の気楽さを堪能してしまったらしい。
「俺の分は?」と聞いたら「自分でやったら?私はアナタのお母さんじゃないのよ!」と冷たく云う。
寒風が、二人の間にサァ〜ッと吹いたような気分である。
私は、去年の12月初めから五十肩の治療で、毎週マッサージを受けている。たまたま先週は正月休みだったが、また今週からは予約を入れているから、マッサージは不要なのだ。
妻はいつも温泉に1時間以上も入っているから、それにプラスしてマッサージを受けるとなると2時間以上も時間が掛かることになる。私は温泉が好きだと言っても、マッサージなしで2時間も入っている訳にもいかないし、待っているのも嫌だから温泉自体をパスした。
妻は、最初からそうなることを見越していたから、あえて私に尋ねようともしない。結婚生活が33年も経つと、聞かなくても分かるのだと云う。
まぁ、結果的には、その通りなんだけどね・・・。
妻が温泉に行っている間に、録画しておいたテレビのマジック番組のビデオを一人寂しく見ていたのだった。
今日は、一歩も家から外に出なかったのであった。