下さるアメリカ・ロサンゼルス在住である世界一のマジシャン島田晴夫師の演技を収録したVTRの鑑賞会を17日夜に開催した。
私の年齢に近いマジック関係者の間では島田晴夫師は「神様」みたいな存在で、師のことを知らないマジシャンは皆無であろうが、島田師はアメリカ在住の為に、ほとんど日本のテレビには出演をされないから、若手の人の中には、島田師の演技をまだ見たことがない人も多いのである。
はるばるロサンゼルスからマジックの「神様」が来て下さるのに、会わせる若手が、島田師の演技を見たことがないのでは、会話も質問も出来ないであろうし、師に対しても失礼にあたるので、事前にマジックの勉強も兼ねた鑑賞会を開くことにしたのである。
YouTubeを見たら、島田晴夫さんの演技の映像は数多く出てくるから個人でも見ることが出来るが、マジック・ミュージアムのVTRの収蔵品の中には、YouTubeなどには出て来ない、貴重な映像も沢山あるのである。
そんな貴重な映像を事前に探し出しておいた。
私が、プロマジシャンを志したのは、高校生の時に見た島田晴夫さんの鳩出しの演技である。独特の雰囲気を醸し出し、音楽ともピッタリと合った演技に憧れ、私も鳩出しをやりたいと思ったのである。
日本一有名なマジシャンになってやるとの野望を抱いていたのだ。
当時は、プロマジシャンになる為には、既に活躍しているプロマジシャンの門下に入らなければなれない時代であった。
幸いにも、私は、島田晴夫さんの弟弟子にあたるジミー忍門下に入ることが出来たのである。
大学卒業時に父に大反対をされて、プロへの道は断念したが、マジックは現在までも続けており、ジミー忍師の遺言で、一昨年の7月には日本で唯一のマジック博物館(ミュージアム)をオープンさせた。
残念ながら、演技者としては日本一のマジシャンにはなれなかったが、日本唯一のマジック・ミュージアムの館長となったので、日本一有名なマジック・コレクターにはなれるかもしれない。
野望の形は変わってしまったが、取り敢えずは「オンリー・ワン」にはなったのである。
人生って面白いもんだなぁ〜。
島田晴夫さんには、マジック・ミュージアムを堪能してもらって、世界中に伝えてもらえたらなぁと思っている。