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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2021-06-03-Thursday ・・・掛けご飯

ここ最近、幼少時を思い出す事柄が続いているが・・・、

タマゴは価格の優等生とよく言われるが、子供の頃に、自分で玉子を買ったことはないから昔の値段にはまったく実感がないのだが、子供の頃の値段と現在の値段とでもそんなに差はないのだという。

昔の食品類で、高いと云う印象があるのは「砂糖」である。スーパーの売り出しでビニール袋に入った砂糖が、一人一袋と云う制限付きで安売りの新聞チラシが入ると買いに行かされた記憶がある。

我が家には、住み込みの店員さんが大勢居た大所帯であったから、母も毎日の献立や食費にはかなり工夫をしていたのであろう。当時の砂糖は高価な調味料だったのであろうなぁ。

それに加えて食卓にはいつも見ず知らずの他人が居たのである。我が家には食事時になると食べに寄るというツワモノが何人も居たのだ。だから、ご飯とおかずは人数分以上にいつも用意しておかなければならなかったのである。

それでも客が多過ぎておかずが足りなくなると「・・・掛けご飯」の登場であった。

子供の頃の食事と言ったら、何と言っても「・・・掛けご飯」である。

「玉子掛けご飯」「バター掛けご飯」「牛乳掛けご飯」e.t.c.

この3つの「・・・掛けご飯」に共通するのは、炊き立ての熱々のご飯と醤油である。「・・・掛けご飯」は冷飯ではまったく美味しくないのだ。現代の様に電子レンジなんて便利なモノはまだ無かったから、冷たいご飯をレンジでチンなんてことは出来ないから。掛けご飯にするには炊きたてのご飯は必須条件であった。

中でも私が一番好きだったのは「バター掛けご飯」であった。熱々のご飯にバターを入れて溶かし醤油を掛けてかき回すだけである。北海道ならではのハイカラな食べ方であったと思うが、母はこれが苦手であった。子供が残しても、このバター掛けご飯だけは食べられないから残さずに全部食べなさいと言われていたのだった。

もうひとつ北海道ならではのものが「牛乳掛けご飯」である。これも炊き立てのご飯に、少し温めた牛乳を掛けて、そこに醤油を混ぜて食べるのである。熱々のご飯に冷たい牛乳では美味しくない。牛乳は熱過ぎず、冷た過ぎず45℃くらいが丁度良い、子供の頃には大好きな食べ方であったが・・・、

この「バター掛けご飯」と「牛乳掛けご飯」を、今「食べろ!」と言われても躊躇するなぁ〜。小人と大人では嗜好が変わる好例なのであろうなぁ〜。

唯一、今でもなお大好きなのは「玉子掛けご飯」だけである。これだけは今でもたまに食べたくなる。

これにもコダワリがあって、よくご飯茶碗とは別に玉子をかき混ぜる茶碗を使って、玉子をよくかき混ぜてからご飯に掛けて食べる人があるが、これはよろしくない。出自を疑われる!お里が知れる!

熱々のご飯の真ん中を箸で凹ませて、そこに玉子を割って入れる。この際も冷蔵庫から出してすぐの冷たい玉子では冷た過ぎてよろしくない。卵は室温に慣らしてから割るのがベストである。卵をかき混ぜる前に醤油を玉子の上にタラリと垂らし、ご飯と軽く混ぜながら食べるのである。熱々のご飯の熱で玉子が少し固まるくらいがなんとも美味しいのである。冷たい玉子だと固まらないのだ。

昔と今とで食べ方が違っているのは「カラザ」と呼ばれる卵白と卵黄をつないでいる白い塊の部分をそのまま食べるのか、取って食べるのかの違いだけである。

子どもの頃はそのまま全部食べていたのだが、大人になってからはカラザを取って食べるようになった。違いはそれだけである。

我が家では「味噌汁」をご飯に掛けて食べるのは「猫飯」と呼んで嫌っていたから食べたことがない。

「掛けご飯」にも品が必要なのかもね・・・。