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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2023-01-16-Monday 勝毎「論壇」掲載記事

2023年1月16日十勝毎日新聞「論壇」欄掲載記事

「マジック・ミュージアム移転」

帯広市内の坂本ビル3階に、2016年12月3日の「奇術の日」にプレオープンし、翌17年7月から一般公開を始めた日本唯一の手品博物館「マジック・ミュージアム」を昨年10月末日で閉館した。

小学生の頃から半世紀以上の歳月と労力をかけて蒐集し、07年から1人でコツコツと9年間かけて展示した道具、絵画、ポスターなど3万点以上と1万5千冊の書籍や資料、什器備品などの全てを、加森観光(札幌)が羊蹄山麓の後志管内留寿都村で運営するルスツリゾートに寄贈したのである。われながらあきれてしまったが、半月間を要した梱包作業と大型トラック8台による運搬作業を要する膨大な量であった。

国内にあまたの博物館、美術館が存在するが、「手品博物館」は私が造ったマジック・ミュージアムただ一つだけである。今回やむなく閉館することになってしまったが、この貴重で膨大な蒐集品は観光資源としても有効であると思っている。

世界唯一のばんえい競馬を有する帯広市ならば「オンリーワン」をキーワードにした観光資源にできるのではないかと、最初に市役所に寄贈を打診したのであったが「受け入れはできない」と断られてしまった。せっかくの資源を道内からは出したくないと、受け入れ先を探してようやくルスツリゾートに落ち着いた。加森観光の加森公人相談役の先祖は昔、帯広で商売をやっていたし、新得町ではベアマウンテンなどを運営している。また、私と同じ「観光カリスマ百選」に選出されているという縁もあった。

坂本ビルでのマジック・ミュージアムは6年間の来場者数が1万3000人ほどであったが、ルスツリゾートならば数週間でこの人数を軽く超える。世界中からの来客に加えて、日本全国から小・中・高生ら修学旅行生も大勢宿泊する施設なのだ。若者たちにマジックに興味を持ってもらうキッカケになるならば、この移転がマジック界にとっても有益になるであろう。

加森相談役は元々エンターテインメントに関心が深く、この移転プロジェクトの社員を伴って昨年11月には米国ロサンゼルスのマジックの殿堂「マジックキャッスル」や、ラスベガスで世界一有名なマジシャンであるデビッド・カッパーフィールドのショーを見学に訪れたほどに熱が入っている。ルスツでの一般公開開始には、かなりの時間を要するから、今年秋頃のオープンを目指している。

マジック界にも新たな発想と才能が芽生えてきている。世界的なマジック・コンベンションの開催を夢に新たな一歩を踏み出したい。