再び何もすることがなくなった。
久し振りに野球に興奮しただけに、終了してしまうと気が抜けたようになってしまった。
出場した選手達の精神状態ってどうなっているのであろうか?
「燃え尽き症候群」みたいにならなけりゃ良いのだが・・・。
あまりに暇であるから映画を観に行った。「ロスト・ケア」である。
早とちりで「相模原施設45人殺傷事件」を題材にした映画だと思い込んでいた。
だから見る前まではあまり乗り気ではなかったのだが、まるで違った。観に行って良かった。
現代日本が抱える福祉と介護の問題をあぶり出した作品である。
例によって、まだ観ていない人のために詳しくは書かないが、出演者の熱演には感動した。
主役の松山ケンイチ、長澤まさみも良かったが、柄本明の演技は素晴らしかった。
この映画が描いていることは、現在でも大きな問題であるのだが、少子高齢化が進めばもっともっと顕在化してくる大問題であろう。
人間の尊厳とは何か?
親子、夫婦のきずなとは何か?
社会福祉の在り方とは?
介護の在り方とは?
生活保護の問題点や刑務所と老人養護施設との待遇の逆転などなど、
これらが含む現代日本の問題点をあぶり出している。松山ケンイチが吐く「きずなは呪縛でもある」という言葉にはドキッとした。
自分自身もついこの間、高齢者の仲間入りをしたばかりであるが、自分の身体能力や認知能力の欠如を意識するようになった。まさに身につまされる問題である。
政治家連中に心して見てもらいたい映画であると思った。