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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2023-06-10-Saturday 余暇の過ごし方

コロナ禍で余暇の過ごし方も変化した。

日本、特に北海道では2020年1月から始まったコロナ禍での自粛生活は余暇の過ごし方を大きく変化させたのではないだろうか?

今年の5月初旬には指定感染症の5類に下げられたことで、また元に戻るのかなと期待していたのだが・・・。

若い人たちの行動はだいぶ戻った様に感じるが、高齢者世代の戻り方は鈍い様に感じるのだ。

東北に嫁いでいる長女の所に、3年振りに孫に会いたいなぁ~と思っているものの、遠方に出掛けることが何だかとても億劫になってしまって躊躇している自分に驚いている。

北海道の帯広と本州北部にある東北地方は、地図で見ると沖縄や九州や四国などと比べると距離的には近いのだが、移動手段となると逆に遠くに感じてしまうのである。

陸路で行くとすると列車でも車でも丸1日は掛かる。飛行機で行くにしても帯広空港から直行便の飛行機は飛んでいない。新千歳空港から飛ぶにしても空港までの陸路の移動距離が長い。

帯広空港から羽田空港に飛んで、東京から東北新幹線という手もあるが・・・。

いずれにしても、考えただけで億劫だし、疲労も激しいのではないかと思われる。

人間の移動に掛けるエネルギーと云うものも、ず~っと連続して継続していれば苦にもならないのかもしれないが、3年間の間隔というのは、思った以上に障壁になっていることを実感した。

安上がりで消費時間が長いコストパフォーマンスが良い娯楽は映画であるとの結論に達して、妻と二人で映画「怪物」を見に行くことにした。

監督は是枝裕和、脚本は坂元裕二、音楽は坂本龍一の作品で、今年の第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。またLGBTQを扱った作品に贈られる「クィア・パルム賞」も受賞している。

この映画は「羅生門的手法」で作られている作品であった。

羅生門的手法とは『関係のある複数の研究対象者に同じ出来事を お互いに独立に語らせるという手法のことで、 文化人類学者オ スカー・ルイスが、60年代に黒澤明監督の映画『羅生門』をヒン トに考案、実践した』

のことで、簡単に言うと「立場が異なれば見方も変わる」ということである。

例によって、まだ観ていない人の為に種明かしになってしまう様な詳しい解説はしないが、とある事件を、親の立場、教師の立場、生徒の異なる立場からの見方をオムニバス風に表現している。

そうかぁ~、そうだよねぇ~、そういう風になるのかぁ~、なるほどねぇ~。と考えさせられる展開である。

私が最近観ている映画には、この手の考えさせられる映画が多い。決して自ら好んでこの手の映画を観ている訳ではないのだが、帯広の映画館で上映される映画にはこの手の映画が多いと云うことなのではなかろうか?

私は本来は痛快活劇物の映画が好きなのだが・・・

監督は、鑑賞者側に夫々の解釈を委ね過ぎていやしないだろうか?

映画は制作した監督の作品なのだから、もっと監督の主張がハッキリしていた方がスッキリすると思うのである。

私はストレス解消の為に映画を観たいのに、この手の映画は鑑賞後にモヤモヤ感が抜けないから困りものなのである。

妻と感想を述べ合っても結局のところ「どの様に解釈しても鑑賞者それぞれの主観で良いのじゃないの?」となってしまう。

これって、監督らの制作者側の人間が、世間から批判されない様な防御策なのかもしれないなぁ~。

そういえば、ディズニ—映画の実写版「リトル・マーメード」が主人公の人魚アリエル役を黒人の俳優にしたが、これはハリウッド映画の世界が白人ばかりが主人公である「人種差別問題」に配慮した結果であると言われている。だから、最近のハリウッド映画の登場人物には、非白人系の、アフリカ系やアジア系の俳優が配役されている。

そこに更に「性暴力問題」が出て来た。今後のディズニ—映画では「眠り姫」や「白雪姫」などのリメイク物はストーリーを大幅に変更しなければ造れなくなってしまうと云う話が聞こえてきたのだ。何故なら「眠っている人の承諾無しに、勝手にキスをする行為は性暴力の容認だと受け止められかねない」からだと云うのである。

笑い話としては、事前にフローラ姫や白雪姫から、「自分が例え眠っていたとしても王子はキスしても良い」という承諾書にサインをもらっておかなければ王子は姫に訴えられると云うのである。

映画というフィクションの世界にも、法律解釈の問題が出て来たわけだ。これをバカバカしいとみるのか、世相だからとみるのか?・・・

私は、こんなことに問題提起する方が世の中を窮屈でツマラナイ世にしていると思うがなぁ~。

映画を観て楽しむ。それだけで良いじゃないか!