所有している書物が非常に多いことのたとえ。
車に載せれば車を引く牛が汗をかくほど重く、家の中で積み上げれば天井の棟木に届くほど書物が多いという意味から。
「牛(うし)に汗(あせ)し棟(むなぎ)に充(み)つ」とも読む。
私は山本夏彦のコラムが好きである。
会社の書庫に私の膨大な量の蔵書があったのだが、それを去年の12月に泣く泣く処分した。中に読み返したい本があったので数冊自宅に持ち帰ったのだが、その内の一冊が山本夏彦のコラム集「毒言独語」であった。
雑誌週刊朝日に連載していたコラムを昭和46(1971)年9月に実業之日本社から刊行した本である。
今はトイレに置いていて、毎日数頁ずつ読み返しているのだが、50数年前に書かれたコラムなのに今読んでもとても新鮮なのである。
まるで、昨日今日のニュースのことを書いているのではないかと錯覚するほどに、普遍的なことを辛辣な筆致で書いてある。
たとえ世の中は変わっても人は変わらないということなのであろう。まさにコラムとはこうあるべきものだとお手本にしたい内容なのである。
山本翁を見習ってこのブログも、何年後かにまた読み返される様に研鑚を積みたいと思わされた今日この頃である。